故人の車を廃車にしたい!相続手続きを経ずに抹消登録はできる?
「父が亡くなり、実家に古い車が残っているけれど、誰も乗らないから処分したい」 「名義変更をしてから廃車にするなんて二度手間だ。亡くなった名義のまま、いきなり廃車にできないの?」
相続が発生した際、預貯金や不動産の手続きは気にしていても、車のことは後回しにされがちです。そして、いざ処分しようとした時に「名義変更が必要」と言われて途方に暮れる方が少なくありません。
結論から申し上げますと、亡くなった方の名義のままで、いきなり廃車(抹消登録)をすることはできません。
しかし、「名義変更」と「廃車」をセットで同時に行うことで、手続きを一度で済ませる方法は存在します。 今回は、故人の車をスムーズに処分するための手続き(移転抹消)と、書類を最小限にするテクニックについて解説します。
1. なぜ「亡くなった人の名義」のまま廃車できないのか?
自動車は法律上、不動産と同じような「資産(財産)」として扱われます。 所有者が亡くなった瞬間、その車は特定の誰かのものではなく、「相続人全員の共有財産」になります。
たとえ価値がゼロに近いボロボロの車であっても、法的には財産の一部です。 そのため、「この車を誰が相続して(引き継いで)、その人が処分(廃車)を決めた」というプロセスを書類上で証明しない限り、勝手に処分することはできないのです。
もしこれが許されてしまうと、一部の親族が勝手に財産を処分して換金してしまうトラブルが起きかねないからです。
2. 解決策:名義変更と廃車を同時にやる「移転抹消」
「じゃあ、一度自分の名義にして、新しい車検証をもらって、その翌日にまた廃車の手続きに行くの?」 これではあまりにも手間がかかりますし、登録にかかる印紙代なども無駄になります。
そこで実務上よく行われるのが、「移転抹消(いてんまっしょう)」という手続きです。
これは、以下の2つの申請を窓口で同時に行う方法です。
- 移転登録: 故人から相続人(代表者)へ名義を変える
- 抹消登録: その車を廃車(一時抹消または永久抹消)にする
これにより、新しい車検証が発行されることなく、一度の窓口訪問で手続きが完了します。 ただし、「相続手続きに必要な書類(戸籍や遺産分割協議書)」は省略できませんのでご注意ください。
3. 廃車にする車なら「書類」は大幅に減らせる!
ここで朗報です。 これから廃車(解体)にしようとしている車であれば、多くの場合、前回の記事でご紹介した「査定額100万円以下の特例」が適用できます。
廃車予定の車(低年式・過走行)であれば、査定額はほぼ確実に0円〜数万円程度になります。 つまり、「遺産分割協議書(相続人全員の実印)」は不要となり、以下の書類だけで手続きが可能になるケースがほとんどです。
移転抹消(100万円以下特例)の必要書類リスト
- 故人の戸籍謄本(死亡の事実と、相続人との関係がわかるもの)
- ※詳細な「出生から死亡まで」の戸籍までは求められないケースもありますが、管轄により異なります。
- 遺産分割協議成立申立書
- 「この車は私が相続します」と宣言する書類。
- 相続人代表者(あなた)の実印だけでOK。
- 相続人代表者の印鑑証明書
- 査定書(または査定額が確認できる資料)
- 車検証原本
- ナンバープレート(前後2枚)
- リサイクル券(永久抹消の場合)
これなら、遠方の親戚にハンコをもらいに行く必要もありません。
4. 「税金の還付」を受け取る権利も相続される
車を廃車にする際、見逃せないのが「お金」の話です。 時期や方法によっては、以下のお金が戻ってくる可能性があります。
- 自動車税の還付: 4月以降に廃車した場合、残りの月数分が戻ります。
- 自動車重量税の還付: 車検が1ヶ月以上残っている状態で「解体(スクラップ)」した場合に戻ります。
- 自賠責保険の解約返戻金: 保険会社で手続きをすれば戻ります。
相続手続き(移転抹消)を行う際、これらの還付金を「誰が受け取るのか」を明確にしておく必要があります。 通常は、車を相続して廃車手続きを行った代表者の口座に振り込まれるように申請します。
注意点 3月の年度末ギリギリに手続きをする場合、書類不備で4月にずれ込むと、翌年度の自動車税の通知(課税)が来てしまいます。故人の車の手続きは書類集めに時間がかかるため、余裕を持って動くことが鉄則です。
5. 解体業者への依頼はどうする?
手続き上の「抹消登録」をするためには、実際に車をスクラップにするか(永久抹消)、ナンバーを返納して使用を止めるか(一時抹消)を決める必要があります。
- もう二度と乗らないなら: 解体業者に車を引き渡して、「移動報告番号」と「解体記録日」のメモをもらってください。これが永久抹消手続きに必要になります。
- とりあえず手元に置くが税金は止めたいなら: ナンバープレートだけを外して運輸支局へ持っていき、一時抹消登録を行います。
まとめ:故人の車の処分は「段取り」が9割
「亡くなった人の車を廃車にする」という行為は、単なる片付けではなく、「相続手続き」そのものです。 いきなり解体業者に電話をしても、「まずは名義変更の手類を揃えてください」と言われてしまうことがほとんどです。
「戸籍謄本の見方がわからず、必要な書類が揃わない」 「3月末までに急いで廃車にして、税金を止めたい」 「解体業者への引き渡しと、陸運局での手続きを全部やってほしい」
このような場合は、行政書士にご依頼いただくのが最もスムーズです。 当事務所では、面倒な戸籍収集から、提携する解体業者の手配、そして運輸支局での移転抹消手続きまで、ワンストップでサポートいたします。
ご遺族様の負担を少しでも減らせるよう尽力いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
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