疎遠な親族がいてハンコがもらえない…自動車相続のトラブル対処法と解決策

「亡くなった父の車を名義変更したいけれど、腹違いの兄弟と連絡がつかない」 「遺産分割協議書を送っても、疎遠な叔父から返信がなく無視されている……」
自動車の相続手続きにおいて、最も頭を悩ませるのが「人間関係」の問題です。 法律上、自動車は遺産分割の対象となるため、原則として相続人全員の合意(実印と印鑑証明書)がなければ名義変更はできません。
たった一人でも協力が得られないと手続きはストップしてしまいます。では、このような八方塞がりの状況を打破する方法はないのでしょうか?
今回は、疎遠な親族がいる場合の自動車相続トラブル対処法を、行政書士の視点から解説します。


1. まずは「車の価値」を確認せよ!これが一番の近道

疎遠な親族に連絡を取ろうとする前に、まず真っ先に確認すべきことがあります。 それは、「その車の現在の価値(査定額)が100万円以下かどうか」です。
以前の記事でも解説しましたが、国土交通省の運用ルールにより、査定額が100万円以下の車については、「遺産分割協議成立申立書」という書類を使うことで、相続人代表者(あなた)一人の実印だけで名義変更が可能になります。

つまり、他の相続人のハンコが不要になる

もしこの特例が使えるなら、連絡の取れない親族や、非協力的な親族に関与してもらう必要自体がなくなります。

  • 10年以上前の車
  • 走行距離が10万キロを超えている車
  • 軽自動車(そもそも遺産分割協議書が不要)

これらに該当する場合は、まず査定業者や行政書士に依頼して査定額を確認しましょう。これが最も平和的でスピーディーな解決策です。


2. 相手の「住所」がわからない場合の探し方

「車が比較的新しくて100万円を超えるため、どうしても全員のハンコが必要だ。でも、相手がどこに住んでいるのかすらわからない」
このような場合、戸籍や戸籍の附票を調査し、相手の現在の住民票上の住所を特定することができます。

  1. 亡くなった方の戸籍から、相続人を特定する。
  2. その相続人の戸籍の附票を取得し、現住所を割り出す。

これにより、「連絡先がわからない」という物理的な壁は突破できます。


3. 住所は判明したが、連絡しても無視される場合

相手の居場所はわかった。しかし、いきなり訪問するのはハードルが高いですし、電話番号もわかりません。 この場合、一般的には「手紙」を送って協力を依頼することになります。
しかし、当事者(あなた)からの手紙だと、感情的なしこりがあったり、警戒されたりして、開封すらされずに捨てられてしまうことも少なくありません。

「行政書士名義」の手紙で開封率を上げる

ここで有効なのが、行政書士に依頼して「相続手続きに関する事務連絡」として手紙を送る方法です。
「行政書士の〇〇と申します。故人の自動車登録手続きについて、法的な書類作成を委任されました。つきましては……」
このように、第三者である法律家が事務的に連絡することで、相手方に「怪しい話ではない」「手続きに応じないと面倒なことになるかも」という心理が働き、協力(実印の押印と印鑑証明書の返送)を得られるケースが多々あります。

※注意:交渉はできません 行政書士ができるのはあくまで「書類作成の代行」や「手続きへの協力依頼」であり、「遺産の取り分を交渉する」などの紛争性のある交渉は弁護士の業務となります。相手が明確に「絶対にハンコは押さない!」と拒否している場合は、弁護士への依頼や家庭裁判所での調停が必要になります。


4. 「行方不明」の場合はどうする?

戸籍の附票で住所を調べても、そこに住んでいない(宛先不明で戻ってくる)、あるいは住民票自体が職権消除されていて居場所が完全に不明な場合もあります。
この場合、「不在者財産管理人」を家庭裁判所で選任してもらい、その管理人に遺産分割協議に参加してもらうという法的手続きが必要になります。
しかし、これには数十万円〜の予納金や弁護士費用がかかることが多く、たかだか1台の中古車のために行う手続きとしては、費用対効果が全く合いません。

現実的な判断:「車検が切れるまで乗る」または「放置」のリスク

どうしても手続きができない場合、名義変更を諦めざるを得ないこともあります。 しかし、亡くなった方の名義のまま乗り続けることは、将来的に廃車ができなくなる等のリスクを抱え続けることになります。
費用をかけてでも法的手続きをするか、あるいは車検が切れるタイミングでナンバープレートを返納して使用を止めるか、慎重な判断が求められます。


5. まとめ:諦める前に一度ご相談ください

疎遠な親族がいる場合の自動車相続は、個人の力だけで解決しようとすると精神的にも大きな負担がかかります。
しかし、プロの目から見れば、 「この年式なら100万円以下の特例が使えるので、相手のハンコは不要ですよ」 「戸籍を辿れば、現住所はすぐに判明しますよ」 といった解決の糸口が見つかることは珍しくありません。
「もう廃車にするしかない」と諦めてしまう前に、まずは当事務所にご相談ください。 現在の車の価値や相続人の状況を整理し、最も負担の少ない解決策をご提案いたします。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
自動車専門の行政書士
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