旧車・クラシックカーの新規登録!書類がない場合の「職権打刻」と復活への道

「実家の蔵から数十年ぶりに見つかった名車、もう一度走らせたい」 「海外から輸入した希少車に、日本のナンバーを付けたい」
古い車を愛する方にとって、最大の壁は「整備」ではなく「書類」であることも少なくありません。特に、一時抹消した際の証明書を紛失してしまったり、経年劣化で車台番号(フレームナンバー)が読み取れなくなったりした車は、通常の窓口では「登録不可」と言われてしまうこともあります。
しかし、諦めるのはまだ早いです。今回は、旧車復活の最終手段ともいえる「職権打刻(しょっけんだこく)」と、書類がない場合の登録の考え方を解説します。


1. 「車台番号」が読めない時の救済策:職権打刻とは?

すべての車には、メーカーが刻印した固有の「車台番号」があります。しかし、古い車や海外のカスタム車では、以下のような事態が起こります。

  • サビで文字が消えてしまった
  • 事故や修復で、刻印部分を切り貼りした
  • 海外仕様で、日本の規格に合う刻印がない

車台番号が確認できないと、車検を受けることも登録することもできません。そこで、国(運輸支局)が「この車は間違いなくこの個体である」と認めた場合に限り、新たに番号を打ってくれる制度があります。これが「職権打刻」です。
以前は金属のタガネで「パチン」と直接打っていましたが、現在は「金属製のシール」を貼り付ける方法が主流になっています。


2. 証明書類(登録識別情報等通知書など)がない場合

もっとも厄介なのが、一時抹消の証明書(登録識別情報等通知書)を紛失し、さらに前の所有者と連絡がつかない、あるいは所有者が亡くなっているといった「書類紛失」のケースです。
原則として、この書類がないと再登録はできませんが、以下の要素が揃えば「新規検査」への道が開ける可能性があります。

① 車両の特定(身元調査)

まずは、その車が「盗難車ではないこと」「いつ、誰によって抹消されたか」を調べる必要があります。

  • 現在登録事項等証明書:車台番号が分かれば、過去の記録を遡れる場合があります。

② 所有権の証明

「なぜ自分がこの車を持っているのか」を客観的に証明します。

  • 譲渡証明書(可能な限り遡る)
  • 遺産分割協議書(相続の場合)
  • 顛末書(てんまつしょ):紛失の経緯や、所有権が自分にあることを実印で誓約する書類です。

3. 手続きの過酷な道のり:事前申請と現車確認

職権打刻や書類なしの登録は、窓口へ行ってその日に終わるものではありません。

  1. 事前照会・相談:運輸支局の「保安窓口」などで、車両の履歴や現状を相談します。
  2. 現車確認(身元確認):審査官が実際に現車を確認します。エンジン番号や細部の特徴から、カタログデータや過去の記録と照合します。
  3. 職権打刻の申請:身元が確定したら、職権打刻の申請を行い、新しい番号を付与してもらいます。
  4. 新規検査(車検):番号が決まったら、ようやく通常の「新規車検」に進めます。

※注意ポイント 1973年(昭和48年)以前の車など、当時の排ガス規制や安全基準が現在のものと異なる「旧車」の場合、「当時の基準」で検査を受けることになります。この立証にも当時のカタログや資料が必要です。


4. 行政書士が「旧車復活」をサポートできること

この手続きを個人で行うのは、非常に高いハードルです。運輸支局との根気強い交渉や、膨大な資料収集が必要になるからです。

  • 履歴調査の代行:車台番号の断片から、過去の登録情報を探し出します。
  • 顛末書・上申書の作成:運輸局を納得させるための論理的な書類を作成します。
  • 関係各所との調整:整備工場や鑑定人、運輸局の担当官との間に立ち、手続きのコーディネートを行います。

まとめ:名車に再び魂(ナンバー)を宿すために

書類がない、番号が読めない……それは、その車が歩んできた長い歴史の証でもあります。 しかし、法的な裏付けがなければ、その名車もただの「鉄の塊」になってしまいます。
「ずっとガレージにある車を、息子と一緒に走らせたい」 「書類をなくして諦めていたけれど、もう一度だけチャンスを探したい」
そのような情熱をお持ちの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。 職権打刻やイレギュラーな新規登録は、一筋縄ではいかない業務ですが、私は「一台でも多くの名車を日本の道へ戻すこと」に誇りを持って取り組んでいます。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
自動車専門の行政書士
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