キッチンカー(移動販売車)を開業したい!8ナンバー登録の要件とメリット

街角やイベント会場で見かけるオシャレなキッチンカー。副業や新規事業として参入する方が増えていますが、ただのバンやトラックに調理器具を載せれば良いというわけではありません。
キッチンカーとして本格的に営業するなら、避けて通れないのが「8ナンバー(特種用途自動車)」への登録です。今回は、キッチンカーの登録要件と、8ナンバーにする具体的なメリットについて詳しく解説します。


1. キッチンカーの「8ナンバー」とは?

日本のナンバープレートの分類番号(地名の横の3桁)が「8」で始まる車両を「特種用途自動車」と呼びます。パトカー、救急車、キャンピングカーなどが仲間ですが、「移動事務室車」や「加工車(キッチンカー)」もここに含まれます。
かつては「キッチンカー=8ナンバー」が絶対でしたが、現在は軽トラックベースの「4ナンバー」で営業するケースも増えています。しかし、本格的な調理を行う大型の車両や、設備の固定を前提とする場合は、やはり8ナンバー登録が基本となります。


2. 8ナンバー取得のための「構造要件」

キッチンカーとして8ナンバーを取得するには、運輸支局の「構造変更検査」をパスしなければなりません。主な要件は以下の通りです。

① 調理設備の固定

コンロ、流し台、作業台などの設備が、ボルトやビスなどでしっかりと車両に固定されている必要があります。単に「置いてあるだけ」では認められません。

② 給排水設備(シンクとタンク)

  • シンクの設置: 手洗い用と器具洗い用など、用途に合わせたシンクが必要です。
  • タンク容量: 保健所の許可基準(40L、80L、200Lなど)と連動しますが、これらを積載・固定するスペースが必要です。

③ 作業空間の確保

調理を行うスペースの天井高や床面積に規定があります。大人が立って作業できる高さ(通常1,600mm以上)がない場合、8ナンバーではなく別の区分になることがあります。

④ 換気と照明

適切な換気扇の設置や、調理を行うのに十分な照明設備が求められます。


3. 8ナンバーにする3つの大きなメリット

なぜ手間をかけて8ナンバーにするのでしょうか?それには大きな理由があります。

メリット①:税金の節約

  • 自動車税: 排気量にもよりますが、同じサイズの普通乗用車に比べて自動車税が安く抑えられるケースが多いです。
  • 重量税: 貨物車(4ナンバー・1ナンバー)に比べて、車検の有効期間が2年(新車時は2年、以降も2年)となるため、維持費のサイクルが安定します。

メリット②:公道を堂々と走れる(積載物扱いにしない)

設備の入った棚を「荷物」として積んでいるだけ(4ナンバー等)の場合、車検のたびにすべて降ろさなければなりません。8ナンバーとして登録すれば、「設備を含めて一台の車」として認められるため、そのまま車検を通すことができます。

メリッ③:事業用保険への加入がスムーズ

キッチンカー専用の自動車保険や、PL保険(生産物賠償責任保険)に加入する際、8ナンバーであることは「正しく用途が登録されている」証拠となり、審査や補償がスムーズに進みます。


4. 保健所の「営業許可」とのセットが必須!

ここが最も重要なポイントです。 「車の登録(8ナンバー)」と「保健所の営業許可」は別物です。

  1. 運輸支局: 車としての安全基準やサイズをチェック(8ナンバー)
  2. 保健所: 食の安全基準(手洗い場の数、タンク容量、冷蔵庫の温度計など)をチェック

どれほど立派な8ナンバー車を作っても、保健所の基準を満たしていなければ営業はできません。逆に、保健所の許可を得ていても、車検の際に「不正改造」と指摘されるリスクもあります。両方の基準を同時に満たす設計が不可欠です。


5. 行政書士に依頼するメリット

キッチンカーの開業準備は、仕入れやメニュー開発など、やるべきことが山積みです。

  • 図面の作成: 構造変更に必要な車内レイアウト図面を、プロの視点で作成します。
  • 保健所との事前交渉: 自治体ごとに異なる保健所の厳しい基準(タンク容量の解釈など)を事前に調整します。
  • ワンストップサポート: 車両の構造変更登録から、保健所への営業許可申請まで一括でお引き受けします。

まとめ:あなたの「夢のキッチン」を正しいカタチに

キッチンカーは、ただの「食べ物を運ぶ車」ではなく、「動く厨房」です。 法的に正しい登録(8ナンバー)を行うことは、お客様への信頼につながるだけでなく、あなたの大切な事業を法的なリスクから守ることにもなります。
「中古車を買ってキッチンカーに改造したい」 「保健所の許可が取れるか不安」 「構造変更の手続きが難しくて進まない」
そのようなお悩みは、ぜひ当事務所にご相談ください。 数多くの開業支援を行ってきた経験を活かし、あなたのキッチンカーが最短で公道デビュー、そしてオープンを迎えられるよう全力でサポートいたします。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
自動車専門の行政書士
埼玉県で地域密着対応
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