【キャンピングカー・車庫証明の壁】大きな車の駐車場選びと申請の注意点

キャンピングカーを手に入れることは、自由な旅への第一歩です。しかし、その夢の前に立ちはだかるのが、車のサイズに特有の難関、「車庫証明」の手続きです。
特に全幅や全長が一般的な乗用車を大きく超えるキャンピングカー(バスコン、キャブコンなど)の場合、「駐車場のサイズが本当に適法か?」という問題に直面します。
この記事では、キャンピングカーの車庫証明をスムーズに取得するために、サイズオーバーの車両でも認められる駐車場の選び方、そして申請時に注意すべきことについて、行政書士が詳しく解説します。


1. キャンピングカーが直面する車庫証明の「サイズ要件」

車庫証明は、「自動車の保管場所の確保等に関する法律」に基づき、以下の3つの要件を満たすことが求められます。

  1. 自宅から直線距離で2km以内にあること。
  2. 道路から支障なく出入庫できること。
  3. 車全体を収容できること。

キャンピングカーの場合、全長5.7mまたは全幅1.9mを超える場合は、自宅からの直線距離が2kmを超えても認められる場合があります。
最も問題になるのは3つ目の「車全体を収容できること」、つまり「サイズ(保管能力)」の要件です。

「収容できる」とは具体的に何を指すのか?

警察署が保管場所を審査する際、「収容能力」は以下の点で判断されます。

  • 駐車スペースの幅と長さ: 車体全体(バンパーからバンパー、ミラー含む)が、駐車スペース内に完全に収まっていなければなりません。車体がはみ出すことは認められません。
  • 出入庫の容易さ: 保管場所にたどり着くまでの通路、出入口の幅や高さ、そして旋回スペース(切り返し)が、そのキャンピングカーのサイズに見合っているかどうかがチェックされます。

2. サイズオーバー車両のための駐車場選びの鉄則

普通の乗用車では問題にならない駐車場でも、キャンピングカーでは不適合とされるケースが多発します。特に注意すべき2つのパターンを解説します。

鉄則1:月極駐車場は「車室+通路」のセットで確認する

外部の月極駐車場を借りる場合、単に駐車枠(車室)のサイズだけを確認してはいけません。

  • 駐車枠の幅と長さ: 枠線の内側に車体が完全に収まるか。特にリアのオーバーハング(後輪より後ろの車体部分)がはみ出やすいので注意が必要です。
  • 前面道路・通路の幅: 最重要項目です。キャンピングカーは小回りが利かないため、駐車枠の前に十分な通路幅がないと、「支障なく出入庫できない」として不適合と判断されます。幅3mの通路で長さ7mの車両を切り返すのは困難です。
  • 出入口の構造: カーブミラー、電柱、看板、建物などの障害物がないかを確認してください。シャッター付きガレージの場合、シャッターの有効開口幅と高さが重要です。

鉄則2:自宅敷地内(青空駐車場)は「配置図」が命

自宅敷地内や、自宅の青空駐車場を利用する場合でも、以下の点に注意が必要です。

  1. 自宅の壁や塀との距離: 車を停めた際に、自宅の壁や塀、隣地との境界線から十分な余裕があるか。
  2. 区画線の明記: 敷地全体図の中で、この車をどの位置にどのように停めるのかを明確に示す線(区画線)を引く必要があります。この線の中に車体全体が収まる実寸を、配置図に正確に記載しなければなりません。

3. サイズ適合を証明する書類作成の注意点

キャンピングカーの申請は、書類作成の精度が合否を分けます。特に注意すべきは「配置図」です。

注意点1:配置図は正確な「実寸」を記載する

  • 車両寸法を正確に: 申請車両の「全長」と「全幅」を正確に把握し、図面に書き込む車両の絵がその寸法と一致するように描きます。
  • 駐車スペースの幅・長さを計測: 「車室」の幅と長さを、巻き尺などで計測し、図面にメートル単位で記載します。この数字が、申請車両のサイズを上回っていることが証明の基本です。
  • 出入口と通路の寸法も必須: 進入路や通路の幅、シャッターの有効開口幅なども記載し、車両サイズとの対比で無理なく出入庫できることを証明します。

注意点2:「使用承諾証明書」と「契約書」の確認

月極駐車場を借りる場合、管理会社やオーナーに書いてもらう「使用承諾証明書」や「賃貸借契約書」の以下の点をチェックしてください。

  • 賃貸借契約書の制限: 契約書の条項に「全長5m、全幅2m以下」など、車のサイズ制限が設けられていないか確認が必要です。もし制限がある場合は、オーナーにその制限を解除する旨の特約や覚書を作成してもらわないと、車庫証明は出ません。
  • 証明書の内容: 申請するキャンピングカーのサイズが、駐車場の契約条件に適合していることを確認してから、証明書を依頼しましょう。

4. まとめ:キャンピングカーの車庫証明は行政書士に依頼すべき理由

キャンピングカーの車庫証明は、単なる書類作成ではなく、「この場所にこのサイズの車を停めることが可能である」という論理的な証明作業が伴います。
行政書士は、お客様に代わって以下の専門的な対応を行うことで、キャンピングカーの車庫証明をスムーズに取得できます。

  1. 警察署への事前確認・調整: 申請前に、駐車場の所在地を管轄する警察署の交通課と、車両サイズについて適合性を事前相談し、リスクを排除します。
  2. プロの配置図作成: 現地の状況をヒアリングし、警察の審査基準をクリアできる正確な寸法と構造の「配置図」を作成します。
  3. 不適合リスクの回避: 賃貸借契約書などの確認を代行し、申請後の書類不備や現地調査での不適合による出戻りを防ぎます。

「この駐車場で大丈夫だろうか?」と少しでも不安を感じたら、ぜひ専門家である当事務所にご相談ください。夢のキャンピングカーライフをスムーズにスタートできるよう、全力でサポートいたします。

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