委任状と譲渡証明書の違いとは?実印が必要なケースをわかりやすく解説

「陸運局のホームページを見たけれど、『譲渡証明書』と『委任状』の違いがわからない……」 「どっちに実印を押せばいいの? 認印じゃダメなの?」
自動車の名義変更(移転登録)を自分で行おうとする際、最初にぶつかる壁がこの「専門用語」と「ハンコ」の問題です。 これらは法律上の効力を持つ重要な書類であり、たった一文字のミスやハンコのかすれで、窓口で門前払いされることも珍しくありません。
今回は、自動車登録のプロである行政書士が、この2つの書類の違いと、「いつ、誰の実印が必要なのか」を噛み砕いて解説します。


1. 「譲渡証明書」と「委任状」の違い

どちらも紙に名前と住所を書いてハンコを押す書類ですが、その役割は全く異なります。

① 譲渡証明書 = 「車をあげました」という証拠

譲渡証明書(じょうとしょうめいしょ)は、文字通り「この車を、いつ、誰に譲りました(売りました)」という事実を証明する書類です。 不動産でいうところの「権利証」に近い役割を持ち、車の所有権が旧所有者から新所有者へ移ったことを法的に確定させます。

  • 誰が書く?: 主に「旧所有者(あげる人)」です。
  • 必須のケース: 売買、譲渡、下取りなど、車の持ち主が変わる時(名義変更)には必ず必要です。

② 委任状 = 「手続きを任せました」という証拠

委任状(いにんじょう)は、「私は陸運局の窓口に行けないので、手続きをこの人(代理人)にお願いします」という意思を示す書類です。
実は、車の所有者本人が直接陸運局の窓口に行って申請する場合、委任状は不要です。 しかし、実際の現場では、新所有者だけが行く場合や、行政書士に依頼する場合など、当事者全員が揃って窓口に行くケースは稀です。そのため、来ていない人の分の委任状が必ず必要になります。

  • 誰が書く?: 窓口に行かない人(手続きを任せる人)が書きます。
  • 必須のケース: 代理人申請をする場合(ほとんどのケースがこれに該当します)。

2. なぜ「実印」が必要なのか?認印ではダメな理由

日本の法律では、自動車は不動産と同様に「資産」として扱われます。 勝手に名義を変えられたり、売られたりする犯罪を防ぐため、本人の意思確認として最も厳格な「実印(印鑑登録されたハンコ)」と「印鑑証明書」のセットが要求されます。

実印が「必須」のケース

基本的に、「車の権利(所有権)が動くとき」は実印必須と考えてください。

  1. 名義変更(移転登録)
    • 旧所有者: 車を手放す意思確認のため、実印が必須。
    • 新所有者: 新たに資産を持つことになるため、実印が必須。
  2. 廃車(抹消登録)
    • 所有者: 資産を処分するため、実印が必須。
  3. 所有権解除
    • ローン完済後の手続きなど。

実印が「不要」のケース(認印でOKな場合)

権利の移動を伴わない、軽微な変更の場合は認印(または署名)で済むことがあります。

  • 住所変更(変更登録): 引越しで住所だけ変わった場合。
  • 氏名変更: 結婚などで名字だけ変わった場合。
    • ※ただし、申請書の記入ミス訂正などで実印があるとスムーズなため、行政書士は実印での委任状作成を推奨することが多いです。

3. 実印を押す場所と注意点【ここを間違えるとアウト!】

書類不備で最も多いのが、実印の押印ミスです。

① 譲渡証明書の押印ルール

  • 旧所有者(譲渡人): 実印を押します。
    • ※捨印(欄外に押す訂正用の印)も押しておくと、万が一の訂正時に安心です。
  • 新所有者(譲受人): 印鑑は不要です。

② 委任状の押印ルール

  • 委任者(頼む人): 実印を押します。
    • 「受任者(窓口に行く人)」の欄は、窓口に行く人が記入するため、空欄のままで渡すのが一般的です。
  • 捨印(すていん): 委任状の欄外(右上など)に、同じ実印をもう一つ押しておくことを強くお勧めします。
    • なぜ?: これがあれば、記載内容に誤字脱字があった場合、窓口で訂正が認められるからです。これがないと、書き直しのためにもう一度実印をもらいに帰らなければなりません。

③ 鮮明に押すこと!

  • 印影が薄い、二重になっている、欠けている場合は受理されません。
  • 訂正する場合、修正液や修正テープは絶対に使用不可です。

4. 委任状・譲渡証明書はどこで手に入る?

これらの書類は、以下の方法で入手できます。

  1. 国土交通省のホームページからダウンロード
    • PDFを印刷して使用します。
  2. 運輸支局の窓口で購入
    • 1枚数十円で購入できますが、平日に行く必要があります。
  3. 行政書士事務所で用意してもらう
    • 依頼する場合、適切な様式の書類を作成して渡してくれます。

まとめ:書類作成のプレッシャーから解放されませんか?

「譲渡証明書」と「委任状」の違い、そして「実印」の重みについて解説しました。
これらは単なる紙切れではなく、財産を動かすための法的な証書です。 特に、友人や知人間での売買の場合、「書類の書き損じで何度も実印を押してもらうことになり、相手に迷惑をかけてしまった……」というトラブルが後を絶ちません。
「一発で確実に手続きを終わらせたい」 「相手に失礼がないよう、書類作成はプロに任せたい」
そうお考えの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。 面倒な書類作成から運輸支局での提出まで、行政書士が責任を持って代行いたします。

「自動車のページを見た」とお伝えください。ご相談は無料です。070-8490-7268受付時間 8:00-20:00 [ 土日祝日も対応 ]

郵送・連絡先

この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
自動車専門の行政書士
埼玉県で地域密着対応
平成生まれの若さを活かしたフットワークの軽さが強み
迅速・丁寧・確実な許認可サポート