ローン完済後の「所有権解除」とは?手続きを放置するリスクと解除方法
自動車ローンを無事に完済された方、おめでとうございます!
しかし、ローンの返済が終わっただけでは、あなた自身の名義に車が完全に切り替わっていない可能性があります。 ここで必要となるのが、「所有権解除(しょゆうけんかいじょ)」という手続きです。
この記事では、所有権解除の基本から、手続きを放置した場合の具体的なリスク、そしてスムーズな解除方法について、行政書士が詳しく解説します。
1. 所有権解除とは?なぜ手続きが必要なのか
車検証の「所有者」欄を確認してください
あなたが今乗っている車の車検証(自動車検査証)をご覧ください。特に以下の2つの欄をチェックしてください。
- 使用者: あなた自身の氏名が記載されているはずです。
- 所有者: ローンを組んだディーラーやローン会社(クレジット会社)の名称が記載されていませんか?
ローンの返済が終わるまで、ディーラーやローン会社は、確実に残債を回収するために、法的な車の持ち主(所有者)として登録をしています。これが「所有権留保」の状態です。
所有権解除とは、この「所有者」の欄をディーラーやローン会社から、実際にローンを完済したあなた自身の名義に書き換える(移転登録する)手続きのことです。
2. 所有権解除を放置する3つの大きなリスク
「所有権解除をしないと、何か問題があるの?」と思うかもしれませんが、日常生活で車に乗る分には問題ありません。しかし、車を手放す時に問題が発生します。
リスク1:車を売却・廃車にできない
所有権がディーラーやローン会社にある状態では、あなた自身に車を処分する権利がありません。 下取りに出したり、中古車業者に売却したり、あるいは廃車にしてしまう際、必ず所有権解除が必須となります。手続きを忘れていた場合、売却手続きがその場でストップしてしまいます。
リスク2:災害や事故で全損した際の保険金問題
車が盗難・全損などの被害に遭い、車両保険金が支払われる場合、保険金は基本的に「所有者」に支払われます。 所有権が解除されていないと、保険金がディーラーやローン会社に支払われてしまう可能性があり、手続きが複雑化します。
リスク3:名義人が亡くなった際の「相続」が困難に
万が一、所有者名義になっている方(ローン契約者)が亡くなった場合、車の相続手続きが必要になります。しかし、所有権がディーラー名義のままだと、「所有権解除」と「相続による名義変更」という二重の手続きが必要になり、残されたご家族の負担が非常に大きくなります。
3. 所有権解除の具体的な手順と必要書類
所有権解除は、ご自身で行うことも、行政書士に依頼することも可能です。
Step 1:必要書類の請求
まずは所有者であるディーラーやローン会社に連絡し、所有権解除に必要な以下の書類を郵送で請求します。
| 書類名 | 内容 |
| 委任状 | ディーラーがあなたへの移転登録を委任する書類 |
| 譲渡証明書 | ディーラーがあなたへ車を譲渡したことを証明する書類 |
| 印鑑証明書 | 所有者(ローン会社等)の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内) |
| 車検証 | 現在の車検証のコピー |
注意点:書類が届くまで時間がかかる ローン会社は書類請求の受付から発送まで、社内での手続きが必要なため、1週間〜10日程度かかることが多いです。売却や廃車を急いでいる場合は、早めに請求しましょう。
Step 2:ご自身で用意する書類
ローン会社から送られてきた書類に加え、あなた自身が以下の書類を用意します。
- あなたの印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
- あなたの実印
- 車庫証明書(車検証の住所から引越ししている場合のみ)
Step 3:運輸支局での手続き(移転登録)
上記の書類を揃えたら、管轄の運輸支局または自動車検査登録事務所へ行き、「移転登録」の手続きを行います。
- 申請書(第1号様式)の作成
- 手数料納付書に印紙(500円)を貼付
- 窓口で書類一式を提出し、新しい車検証(所有者名義があなた自身になっているもの)を受け取ります。
まとめ:売却直前に慌てないための準備を
所有権解除は、将来車を手放すための「権利の証明」のようなものです。 ローンを完済した今すぐに行っておくことで、数年後の売却や廃車時に、「手続きが間に合わない」「必要書類が揃わない」といったトラブルを未然に防げます。
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