「一時抹消」と「永久抹消」の違いは?廃車にするか迷った時の正しい選び方

「しばらく車に乗らないから税金を止めたい」 「もうボロボロだから処分したいけれど、どの手続きをすればいいの?」
車の登録を消す(抹消登録)手続きには、大きく分けて「一時抹消登録(いちじまっしょうとうろく)」と「永久抹消登録(えいきゅまっしょうとうろく)」の2種類があります。
どちらも「自動車税を止める」という効果は同じですが、「車そのものをどうするか」によって選ぶべき手続きが全く異なります。 間違った方を選ぶと、将来車に乗れなくなったり、本来もらえるはずの還付金(お金)がもらえなかったりします。
今回は、この2つの手続きの違いと、ケース別の正しい選び方をわかりやすく解説します。


1. 一目でわかる!「一時抹消」と「永久抹消」の比較

まずは、それぞれの特徴を表で比較してみましょう。

項目一時抹消登録永久抹消登録
車の状態手元に残る(一時使用停止)解体・スクラップ済み(二度と乗れない)
再登録(復活)可能(中古車新規登録)不可能
ナンバープレート返納する(外す)返納する(外す)
自動車税ストップする(月割で戻る)ストップする(月割で戻る)
重量税戻らない戻ってくる(車検残存期間による)
主な用途長期入院、海外赴任、売却待ち事故車、水没車、老朽化による処分

2. 「一時抹消登録」を選ぶべきケース

名前の通り、「一時的に」登録を消す手続きです。 人間で言うところの「住民票を抜く(海外転出)」イメージに近く、本人は存在していますが、日本国内での公的な登録だけがなくなっている状態です。

こんな人は「一時抹消」を選んでください

  1. 長期の海外出張や入院をする
    • 1年以上乗らないなら、税金や保険料が無駄になります。一時抹消をしておけば維持費はゼロになります。再登録(車検を受ける)すれば、また同じ車に乗れます。
  2. 車を売りたいが、買い手がまだ見つからない
    • 友人に譲る予定だが相手の免許取得待ち、あるいはヤフオクなどでゆっくり売りたい場合、とりあえず一時抹消して税金を止めておくのが賢明です。
  3. 盗難に遭った
    • 車が見つかる可能性があるため、まずは一時抹消で課税を止めます。

メリット:車という「資産」を残せる

最大のメリットは、「また登録し直せば公道を走れる」という点です。車の車体番号などのデータは国に残るため、将来的に中古車として売却することも可能です。


3. 「永久抹消登録」を選ぶべきケース

こちらは、車を「物理的に解体(スクラップ)」した場合に行う手続きです。 人間で言うところの「死亡届」にあたります。一度行うと、二度とその車は復活できません。

こんな人は「永久抹消」を選んでください

  1. 事故や故障で自走不能になった
    • 修理するつもりがないなら、解体業者へ引き渡して永久抹消します。
  2. 古すぎて値段がつかない、もう乗るつもりがない
    • 解体を前提とする処分です。
  3. 台風や洪水で水没した

メリット:「重量税」が戻ってくる!

永久抹消の最大のメリットは、車検の際に先払いしていた「自動車重量税」が還付される(戻ってくる)ことです。 車検が1ヶ月以上残っている状態で解体すれば、残りの期間分のお金が戻ってきます。

※注意:手続きには「移動報告番号」が必要 永久抹消をするためには、先に解体業者へ車を引き渡し、スクラップが完了したことを証明する「移動報告番号」と「解体報告記録日」の情報が必要です。「これから解体する」という状態では申請できません。


4. 迷ったらどうする?プロが教える「合わせ技」

「今は廃車にするか迷っているけれど、税金だけは今すぐ止めたい!」 「解体業者が忙しくて、引き取りが来月になると言われた……」
このような場合にお勧めなのが、「まずは一時抹消 ⇒ 後で解体届」という2段階の方法です。

手順

  1. とりあえず「一時抹消」をする
    • これで自動車税はストップします。車検が残っていても重量税は戻りませんが、まずは課税を止めることを優先します。
  2. ゆっくり解体業者を探して処分する
  3. 「解体届出(かいたいとどけで)」を提出する
    • 一時抹消中の車を解体した後に提出する届出です。これを行えば、解体した時点からの重量税の還付を受けられます。

この方法なら、焦って判断を誤ることもなく、税金の無駄払いも防げます。実務上、多くのケースでこの手順がとられています。


5. 意外と大変!ナンバープレートの取り外し

どちらの手続きを選ぶにしても、共通して行わなければならない作業があります。 それが、「ナンバープレートを2枚外して、運輸支局へ返納すること」です。
ご自身で行う場合、以下のハードルがあります。

  • 工具が必要: プラスドライバーだけでなく、錆びている場合は特殊な工具が必要です。
  • 封印を破る: 後ろのナンバーの「封印」を自分で破って取り外す必要があります。
  • 平日に窓口へ: 外したナンバーと書類を持って、平日の昼間に運輸支局へ行かなければなりません。

まとめ:面倒な手続きは丸投げOK!

「一時抹消」と「永久抹消」の違い、お分かりいただけましたでしょうか? 状況に合わせて選ばないと、再登録できなくなったり、還付金をもらい損ねたりします。
「自分の車はどっちを選ぶべき?」 「ナンバーを外す工具がないし、外し方がわからない」 「平日に役所に行く時間がない」
当事務所では、お客様の状況に合わせた最適な手続きの提案はもちろん、運輸支局での手続きまですべて代行いたします。
面倒な手続きを代行してもらいたい方は、ぜひご相談ください。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
自動車専門の行政書士
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