親子間で車を譲渡する場合でも名義変更は必要?贈与税や保険の注意点を解説

「子供が免許を取ったので、家の車を譲りたい」 「親が免許を返納したので、車を自分が引き継ぐことになった」
このように、親子間や家族間で車のやり取りをすることは珍しくありません。 この時、多くの方が疑問に思うのが、「家族なんだから、わざわざ名義変更しなくてもそのまま乗っていいのでは?」という点、そして「タダで車をもらうと贈与税がかかるの?」というお金の不安です。
結論から申し上げますと、親子間であっても名義変更は必須であり、車の価値によっては贈与税がかかる場合があります。
今回は、親子間の自動車譲渡における手続きの重要性と、気になるお金の話をわかりやすく解説します。


1. 「名義変更しない」はリスクだらけ!親子間でも手続きが必要な理由

「名字も一緒だし、住所も同じ(あるいは実家)だから、バレないだろう」と考えて名義変更を放置するのは危険です。道路運送車両法という法律で義務付けられているだけでなく、実生活で大きなデメリットが発生します。

① 事故や違反の責任が「親(旧所有者)」に行く

万が一、車をもらった子供が事故を起こしたり、駐車違反をして放置したりした場合、警察からの連絡や責任追及は「車検証上の所有者(親)」に行きます。 特に人身事故などの重大なケースでは、賠償責任の問題が複雑化し、家族関係に亀裂が入る恐れもあります。

② 自動車税の通知が届かない・廃車できない

自動車税の納付書は、4月1日時点の車検証上の所有者に届きます。 「車は子供が乗っているのに、税金は親に来る」という状態が続きます。また、将来その車を売ったり廃車にしたりする際も、名義人の実印や印鑑証明書が必要になり、その時になって慌てて手続きすることになります。もし名義人が認知症になったり亡くなったりしていると、手続きはさらに困難になります。


2. タダで車をもらうと「贈与税」はかかる?

もっとも気になるのが税金の話です。 通常、他人から財産を無償でもらうと「贈与税」の対象になります。これは親子間の車のやり取りでも例外ではありません。
しかし、一般的な中古車であれば、贈与税がかからないケースがほとんどです。

贈与税がかからないラインは「110万円」

贈与税には「基礎控除額」があり、1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計が110万円以下であれば、税金はかかりませんし、申告も不要です。

重要なのは「今の価値(時価)」

「この車、新車で300万円で買ったから贈与税がかかるかも!」と心配される方がいますが、贈与税の計算基準は「購入価格」ではなく、「譲渡時点での時価(中古車としての市場価値)」です。

  • 購入時 300万円 → 現在の中古市場価格 80万円
    • この場合、110万円以下なので贈与税はかかりません。
  • 購入時 800万円 → 現在の中古市場価格 200万円
    • この場合、110万円を超えているため、超えた分に対して贈与税がかかる可能性があります。

アドバイス
10年以上乗っている一般的なファミリーカーや軽自動車であれば、評価額が110万円を超えることは稀ですので、過度な心配は不要です。ただし、高級車や購入して間もない車を譲る場合は注意が必要です。
詳細については税務署や税理士に確認するとよいでしょう。


3. 親子間の名義変更に必要な書類

売買(金銭のやり取り)がない場合でも、運輸支局での手続き上の書類は通常の「移転登録」とほぼ同じです。

  1. 譲渡証明書(親の実印を押印)
  2. 印鑑証明書(親と子、それぞれのもの)
  3. 委任状(親と子、それぞれの実印を押印)
  4. 車庫証明書(子が車を保管する場所で取得)
  5. 車検証原本

「売買契約書」は不要?

金銭のやり取りがないため、売買契約書は存在しません。運輸支局への提出も不要です。 ただし、後々のトラブルを防ぐ(あるいは税務署への説明用)ために、念のため「贈与契約書」を作成しておくこともありますが、必須ではありません。


4. 任意保険の「等級引き継ぎ」を忘れずに!

親子間の譲渡で、名義変更と同じくらい重要なのが「自動車保険(任意保険)の手続き」です。
実は、親の等級(割引率)が高い場合、条件を満たせばその等級を子供に引き継ぐ(譲る)ことができます。 若いお子様が新規で保険に入ると保険料は高額になりがちですが、親の等級を引き継げれば大幅な節約になります。

等級引き継ぎの主な条件

  • 親と子が同居していること(別居の未婚の子供などは保険会社により規定が異なります)
  • 手続きのタイミングを守ること

車検証の名義変更をするタイミングで、必ず保険会社にも連絡を入れましょう。ここを連携させないと、無保険期間ができたり、割引のチャンスを逃したりしてしまいます。


まとめ:家族間の手続きこそ、プロに任せてスッキリ解決

親子間の車の譲渡は、「いつでもできる」と思って後回しにしがちです。 しかし、万が一の事故のリスクや、将来の相続トラブルを避けるためにも、車を使い始めるタイミングできっちりと名義変更(移転登録)を済ませておくことを強くお勧めします。

「平日は仕事で役所に行けない」 「実家の親と書類のやり取りをするのが面倒」 「保険の切り替え時期に合わせてスムーズに終わらせたい」

このようにお考えの方は、ぜひ当事務所にご依頼ください。 ご家族皆様が安心してカーライフを送れるよう、面倒な手続きを全て代行いたします。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
自動車専門の行政書士
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