車検が切れた車を廃車にするには?公道を走れない車の移動手段と絶対にやってはいけないこと

「うっかり車検を切らしてしまったけれど、もう古いから廃車にしたい」 「実家の庭に放置されている車検切れの車を処分したい」
車検が切れている車を廃車(解体)にする際、最大の問題となるのが「どうやって解体業者や陸運局まで車を運ぶか」です。
ご存知の通り、車検が切れた車で公道を走ることは法律で固く禁じられています。 「解体屋さんはすぐ近くだから、こっそり運転していけばバレないだろう……」 その安易な考えが、免許取り消し多額の罰金につながることもあります。
今回は、車検切れの車を安全に処分するための正しい移動手段と、廃車までの手順について解説します。


1. 警告:車検切れ走行は一発で「免許停止」以上!

まず最初に、リスクの確認です。 車検が切れた車を運転すると、以下の違反になります。

  1. 無車検運行(車検切れ): 違反点数6点(即免停)、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金。
  2. 無保険運行(自賠責切れ): 違反点数6点(即免停)、1年以下の懲役または50万円以下の罰金。

車検が切れている場合、セットで加入している自賠責保険も切れていることがほとんどです。これらが併合されると、違反点数12点(90日の免許停止)、80万円以下の罰金という非常に重い処分が下されます。
たかが廃車のために、あなたの免許証と社会的信用を失うリスクを冒してはいけません。


2. 移動手段①:市役所で「仮ナンバー」を借りる

自力で車を動かす唯一の合法的な手段が、「仮ナンバー(臨時運行許可)」を取得することです。 赤い斜線が入ったナンバープレートを見たことがあると思いますが、あれを自分の車に取り付けることで、数日間だけ公道を走れるようになります。

仮ナンバーを借りる手順

  1. 自賠責保険に加入する:
    • ここが最大のネックです。仮ナンバーを借りる期間(最大5日間)をカバーする自賠責保険に加入しなければなりません。通常は最短の1ヶ月契約(約5,000円前後)に加入します。廃車にするためだけに保険料を払う必要があります。
  2. 市区町村の役場で申請する:
    • 車検証、自賠責証明書、免許証、手数料(750円程度)を持って窓口へ行きます。
  3. ナンバー取り付け:
    • 借りた仮ナンバーを自分で車に取り付けます(ボルトが錆びていると大変です)。
  4. 運行:
    • 申請したルート以外は走れません。
  5. 返却:
    • 使い終わったら、5日以内に必ず役所へ返却しなければなりません。

結論: 廃車にするだけなのに、役所に2回行き、保険料を払い、取り付け作業をする……正直、手間とコストが見合いません。


3. 移動手段②:レッカー車(積載車)を手配する

最も安全で一般的な方法です。 整備工場や解体業者、ロードサービス業者などに依頼し、積載車(キャリアカー)で車を運んでもらいます。

  • メリット: 自分で運転しなくて良い。自賠責保険への加入も不要。
  • デメリット: 運搬費用(レッカー代)がかかる場合がある。

ただし、「廃車買取」を行っている業者であれば、「レッカー代無料」で引き取ってくれるケースも多々あります。自力で仮ナンバーを借りる前に、まずは業者に相談することをお勧めします。


4. 廃車手続き(永久抹消)の流れ

車を解体業者へ移動させたら、次は書類上の手続きです。

Step 1:車の解体と「移動報告番号」の受領

業者に車を引き渡し、スクラップ(解体)してもらいます。 解体が終わると、業者から以下の情報が連絡されます。

  • 移動報告番号
  • 解体報告記録日

この2つの情報がないと、陸運局での手続きはできません。

Step 2:運輸支局で「永久抹消登録(解体届出)」

以下の書類を持って、管轄の運輸支局へ行きます。

  1. 車検証(原本)
  2. ナンバープレート(前後2枚 ※業者が外してくれることが多いです)
  3. 所有者の印鑑証明書(発行3ヶ月以内)
  4. 所有者の実印
  5. 移動報告番号・解体報告記録日のメモ
  6. マイナンバーカード(または通知カード) ※重量税還付がある場合のみ

5. よくあるトラブル:「車検証をなくした!」

車検切れで長期間放置している車の場合、車検証が見当たらないということがよくあります。 車検証がないと、原則として廃車手続きはできません。
この場合、

  • 運輸支局で「現在登録事項等証明書」を取得してデータを確認する
  • 「理由書」を提出する などの追加手続きが必要になります。 「書類がないから廃車できない」と放置せず、専門家に相談してください。

まとめ:車検切れ車の処分は「現地回収」できるプロへ

車検が切れた車を処分するには、「移動のハードル」と「書類のハードル」の2つを越えなければなりません。
自分で仮ナンバーを借りて、自賠責に入って、陸運局へ行って……と動くのは、時間もお金も無駄にかかってしまいます。
「車検切れで動かせない車が庭にある」 「タイヤがパンクしていて自走できない」 「車検証を紛失してしまった」
このような場合は、当事務所にご相談ください。 提携する解体業者と連携し、ご自宅までの車の引き取り(レッカー手配)から、運輸支局での永久抹消手続きまで、ワンストップで代行いたします。 リスクを冒して運転する前に、まずは安全な処分方法をご提案させてください。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
自動車専門の行政書士
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