一時抹消した車をもう一度乗りたい!「中古車新規登録」の手続きガイドと公道復帰の壁

「海外赴任から戻ったので、実家のガレージで眠らせていた車にまた乗りたい」 「ネットオークションで、一時抹消済みの安くて良い車を見つけた!」
一度ナンバープレートを返納して「一時抹消登録」をした車でも、所定の手続きを行えば、再びナンバーを取得して公道を走ることができます。これを「中古車新規登録(ちゅうこしゃしんきとうろく)」といいます。
しかし、この手続きは単なる書類の提出だけでは終わりません。 「ナンバープレートがない車を、どうやって車検場や陸運局まで運ぶのか?」 この物理的な問題をクリアしなければならないからです。
今回は、一時抹消した車を復活させるための手順と、自力で行う際のハードル、そしてそれを楽に解決するプロの技について解説します。


1. 最大の壁は「車検」と「移動手段」

中古車新規登録を行うためには、大前提として「車検(新規検査)」に合格していなければなりません。 しかし、その車には今、ナンバープレートがありません。当然、そのまま公道を走れば無車検運行・無保険運行で即免許取り消しレベルの重罪です。
では、どうすれば良いのでしょうか?方法は大きく2つあります。

方法A:仮ナンバー(臨時運行許可)を借りる

市区町村の役場で、赤い斜線の入った「仮ナンバー」を借ります。

  • 手間: 平日に役所へ行き、申請して借りる必要があります。使用後は数日以内に返却もしなければなりません。
  • 費用: 750円程度の手数料がかかります。また、仮ナンバーを借りるために自賠責保険に先に加入しておく必要があります。

方法B:レッカー車(積載車)で運ぶ

整備工場などに依頼して、トラックで車を運んでもらいます。

  • 手間: 依頼の手配が必要ですが、自分で運転するリスクはありません。
  • 費用: 運搬費用がかかります。

まずは、この「移動手段の確保」が最初のハードルとなります。


2. 中古車新規登録の流れと必要書類

移動手段を確保したら、以下の手順で手続きを進めます。

Step 1:車庫証明書の取得

警察署で車庫証明を取得します。

  • 有効期限: 証明日から概ね1ヶ月(40日)以内のものが必要です。登録のタイミングに合わせて取得しましょう。

Step 2:車検(新規検査)を受ける

整備工場で点検整備を受け、検査ラインを通します。 合格すると「予備検査証(よびけんさしょう)」などが発行されます。これがあれば、車自体の安全性は証明されたことになります。

Step 3:運輸支局で登録手続き

以下の書類を揃えて、管轄の運輸支局(陸運局)へ申請に行きます。

【必要書類リスト】

  1. 申請書(第1号様式)
  2. 手数料納付書(登録印紙代など)
  3. 登録識別情報等通知書(一時抹消した時に発行された書類の原本)
    • ※紛失注意!: これがないと手続きの難易度が跳ね上がります(後述)。
  4. 予備検査証(または保安基準適合証)
  5. 所有者の印鑑証明書(発行3ヶ月以内)
  6. 所有者の実印
  7. 車庫証明書(発行1ヶ月以内)
  8. 自賠責保険証明書

Step 4:ナンバープレートの取り付けと封印

書類が受理されると、新しい車検証とナンバープレートが交付されます。 しかし、これで終わりではありません。 車にナンバープレートを取り付け、後ろのナンバーの左側に「封印(アルミのキャップ)」を係員に取り付けてもらわなければなりません。
つまり、原則として登録の当日に、現車(車そのもの)を陸運局へ持ち込む必要があるのです。


3. 「登録識別情報等通知書」をなくしていたら?

一時抹消の証明書である「登録識別情報等通知書」。 数年間放置している間に紛失してしまうケースが非常に多いのですが、残念ながらこの書類は再発行できません。
紛失した場合は、通常の書類に加えて以下の対応が必要になります。

  • 登録事項等証明書を現在記録で取得し、内容を確認する。
  • 実印を押した「顛末書(てんまつしょ)」を作成し、紛失の経緯や車の正当な所有権を主張する。
  • 場合によっては警察への届出証明が必要になることも。

書類が一気に複雑になるため、紛失に気づいた時点で専門家へ相談することをお勧めします。


4. プロに頼めば「車を陸運局に持ち込まなくていい」!?

ここまでの説明で、「仮ナンバーを借りて、陸運局まで車を運転して、封印してもらう……正直面倒くさい」と思われた方も多いでしょう。
実は、「出張封印(しゅっちょうふいん)」の資格を持つ行政書士に依頼すれば、この手間を劇的に省略できます。

【出張封印を使った裏ワザ】

  1. 車検: 整備工場にお願いして「予備検査」だけ通してもらう(工場への移動は積載車などで)。
  2. 登録: 行政書士が書類だけで陸運局へ行き、新しいナンバープレートと「封印」を受け取ってくる。
  3. 取り付け: 行政書士がご自宅の駐車場へ伺い、お客様の車に新しいナンバーと封印を取り付ける。

この方法なら、お客様が仮ナンバーを借りて陸運局まで車を運転する必要は一切ありません。 自宅に停めたままで、ナンバープレートが付き、公道復帰が完了します。


まとめ:眠っている車の復活は「段取り」が命

一時抹消した車の復活(中古車新規登録)は、書類手続きだけでなく、車の移動や整備、封印といった「現場作業」が絡み合う複雑な手続きです。

  • 「仮ナンバーを借りに役所へ行く時間がない」
  • 「登録識別情報等通知書が見当たらない」
  • 「陸運局まで慣れない車を運転するのが不安」

このような不安がある方は、ぜひ当事務所にご相談ください。 車庫証明の取得から、複雑な書類作成など、トータルでサポートいたします。 愛車の復活を最短ルートでお手伝いします。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
自動車専門の行政書士
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